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10年続いた足関節捻挫への不安と向き合い、海外プロで結果を残すまで

2026.7.28 アスリートの声

プロサッカー選手・代居鈴香選手は、13歳頃から約10年間、足関節捻挫の再発への不安とテーピングへの依存に悩んできました。

本記事では、複数のトレーニングやケアに取り組んでも解消しなかった不安に対し、アスリート再生プログラムで自身の身体特性を把握したこと、動作の感覚がどのように変化したか、そして海外プロリーグでの挑戦につながった過程を、本人の言葉で紹介します。

※本記事は一選手の個人的な体験・感想です。結果には個人差があります。痛み、腫れ、関節の不安定感、受傷直後の症状がある場合は、自己判断で運動を継続せず、医師などの医療専門職に相談してください。

代居鈴香(よすえ すずか)|サッカー/FW・MF
2000年2月1日生まれ、大阪市出身。競技歴17年。

経歴
JFAアカデミー福島 → 米シタデル大学 → 米アリゾナ州立大学 → ギリシャ1部 → ポゴン・シュチェチン(ポーランド1部)→ レーシングパワーFC(ポルトガル・リーガBPI)

主な実績

  • U-16日本代表
  • 米シタデル大学(2019-22):歴代最多アシスト・歴代最多ポイント記録を樹立/シーズン11得点11アシスト/オールカンファレンス1stチーム2度
  • 米アリゾナ州立大学(2023):2得点6アシスト
  • 2024年、ギリシャ1部・REA FCでプロキャリアをスタート。怪我を乗り越えシーズン完走
  • 2024/25シーズン、ギリシャ プロリーグ(1部)「ベストイレブン」選出。「最優秀外国人選手」最終候補3人にも選ばれる
  • 2025年10月、ポーランド1部の名門ポゴン・シュチェチンへ移籍。ポーランド杯準々決勝で決勝ゴール
  • 2025/26シーズン、ポーランド1部「ベストMF」最終候補4人&「シーズンMVP」候補に選出(チームはリーグ準優勝)
  • 現在は3カ国目となるポルトガル・レーシングパワーFCでプレー

アスリート再生プログラムに出会う前、どのような課題を抱えていましたか?

一番の課題は、10年間繰り返す足関節捻挫。テーピングがなければ、サッカーができない。その状態が、13歳の頃からずっと続いていました。

中学1年のとき、捻挫を何度も繰り返すようになって。どれだけトレーニングをしても止まらず、やがて足の関節を痛め、靭帯も伸びてしまいました。信頼していたトレーナーからも「続けるなら、テーピングしかないね」と言われて。それからは、怪我をしていなくても”予防”のために、ずっとテープを巻き続けていました。外せば、また捻挫する。外して、捻挫して、また戻す——その繰り返しだったので、外すことへの怖さが常にありました。

でも、テープは本当に私を守ってくれていたのか——いまは、そうは思いません。巻いていると、走るのも、ステップを踏むのも、方向を変えるのも、どこか窮屈で。動きに制限がかかっているのが、自分でも分かるんです。練習前に巻く時間を取られ、時間がない日は焦る。怪我もないのに手放せないテープは、いつのまにか自分の体の一部みたいになっていました。気持ちも体も重くて、体が重いことで精神的にもしんどくなっていく。そういう10年でした。

これまでは、どのように取り組んできましたか?

足関節捻挫の再発防止のためや、テーピングなしでサッカーをするためにたくさんのことに取り組んできました。トレーナーさんに指導していただいたトレーニングやケア、自分でもお尻を鍛えることを中心に、チューブや自重のトレーニングに取り組みました。できることは、やり尽くしたつもりです。それでも、いざピッチに立つと、足首の不安はまったく消えませんでした。外すとまた捻挫をしてしまうし、常に「また捻挫するかもしれない」——テープなしでプレーする自信は、どうしても持てなかったんです。

プログラムを始めようと思った理由は?

大学を卒業するとき、プロに進むか、それとも引退してセカンドキャリアに進むか、という分かれ道に立ちました。プロに行けば、強度も上がるし、環境も変わる。この不安を抱えたままでは、続けていけない、と思ったんです。

正直、この状態のままプロに行くくらいなら、いっそ辞めよう、とも考えていました。でも、ずっと続けてきたサッカーを、そんなに簡単に辞めるのも悔しくて。最後に、アカデミー時代の後輩がずっと勧めてくれていたHURECのプログラムを受けてみることにしました。半信半疑でした。これで無理なら、次の道へ進もう。改善されるなら、プロへ挑戦しよう——。失うものは何もない、”最後の砦”のような気持ちでした。

実際に取り組んでみて、どのような変化がありましたか?

最初に驚いたのは、動きの軽さでした。スプリントや、5メートル・10メートルの瞬発力は、結構すぐに結果が出て。体感として、動きがすごく軽くなったんです。本当に、びっくりするぐらい——魔法みたいな感じでした。体感だけじゃなくて、試合の動画を見返しても、目に見えて変わっているのが分かりました。

テーピングも、少しずつ減らしていきました。以前は、減らした途端にまた捻挫して、サポートの多いテープに逆戻り——その繰り返しでした。10年間抜け出せなかった、そのループが、今回は起きなかった。減らしても、逆戻りしない。気づいたら、テープをまったく巻かずに、何の不安もなくプレーしていました。10年以上テープに頼っていた足で、捻挫も、怪我もなく、です。

疲労も、明らかに変わりました。疲れを感じることが少なくなって、疲れない体づくりができたことで、毎日、質の高いトレーニングが積めるようになった。その積み重ねで、選手として成長できたシーズンになりました。ピッチでは「また捻挫するかも」という無駄なストレスが消えて、1対1でガツンと当たっていける。「自分はこれだけできる」という自信がついて、感覚が定まったことで、プレーもメンタルも、驚くほど安定しました。

ずっと外せなかったテーピングを、なぜ今回は外せたのだと思いますか?

自分の”個体差”——骨格タイプを判別してもらえたことが、いちばん大きかったと思います。
私は「始点8・力点6」というタイプでした。

それを知る前は、走るときに、全体的にとにかく力が入っていました。足首のために良かれと思って、自分ではお尻を鍛えるトレーニングも重ねていた。それが”正しい”やり方だと、疑いもしていませんでした。
でも、そのやり方は私の体には合っていなかった。力を入れているのに、動きは重い。出力しようとしても、うまく力が出ない。走っても初速がのらない。頑張っているほど、体が重くなっていく感覚でした。

でも、自分の個体差(始点8・力点6)を知ることによって、瞬時に使う力が減って、うまく力を抜いて力を発揮することができるようになりました。全部に力を入れるのではなく、必要なところに必要なだけ。それだけで、同じ動きがまるで別物になったんです。ずっと重かったスプリントが軽くなって、初速も出るようになった。疲れも溜まりにくくなって、毎日いいコンディションで練習できる。

その”軽さ”を体が覚えていくほど、足首への負担も変わっていって、テープで固めて無理に支える必要が、だんだんなくなっていきました。問題は種目じゃなかった。ただ、自分の体に合った使い方に、まだ出会えていなかっただけ。それが分かったとき、初めて「自分に合った体の使い方って、こういうことなんだ」と、頭ではなく、体で納得できました。いまは海外で、怪我をしているチームメイトを見ると「この選手は、自分の体の使い方がまだ明確になっていないんじゃないかな」と感じることもあります。

トレーナーとの関わりで、印象に残っていることは?

担当のトレーナーの方には、2年ほどお世話になっています。体のことは基本的に何でも相談していて、体調のことも、セッションのたびに話しています。アスリート出身の方なので、こちらがうまく言葉にできない感覚まで、汲み取ってもらえるんです。アスリートって、自分の感覚を言葉にしきれないことが本当に多くて。それでも分かってもらえるから、安心して任せられます。

印象に残っているのは、試合の3日前に「ちょっとやばいんです」と連絡したときのこと。急なのに時間を作ってセッションしてくれて、「これは出られないかもしれない」と思っていた状態から、ちゃんと立て直してくれました。海外での急な怪我にも、そうやって一緒に向き合ってもらいながら、学びながら、一つひとつやってきました。

最後に、同じように悩んでいるアスリートへメッセージをお願いします。

これからも、トレーニングをコツコツ積み重ねて、できるだけ長くサッカーを続けられる体を作っていきたいです。思った通りに動ける体で、サッカーでしっかり結果を残すこと。それが、いまの目標です。

長期的なスランプや怪我で悩んでいるアスリートは、きっとたくさんいると思います。スランプは、アスリートである以上、誰もが必ず通る道です。でも、自分に合ったやり方でトレーニングを続けていけば、絶対に抜け出せる。私が、そうだったように。だから、諦めずに頑張ってほしいです。


取材・編集情報

取材協力
代居鈴香(プロサッカー選手/レーシングパワーFC)

取材・構成
HUREC編集部
公開日:2026年07月28日
最終更新日:2026年07月28日

事実確認について競技歴、所属歴、受賞歴および本記事内の発言内容は、掲載前に本人または所属先に確認した情報に基づいています。

監修|高村武光(たかむら たけみつ)
鍼灸師/連動性トレーナー。株式会社HUREC 講座運営事業部マネージャー。
自身も学生時代に腰椎分離症を経験し、そこから医療の道へ。連動性トレーナーとして、連動性トレーナー養成講座の指導を担当。アスリートの個体差(16タイプの骨格)に基づき、動作分析・トレーニングの提供している。

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