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Basic Theory
- 基礎理論 -

Explanation先天性連動とは?

赤ちゃんとトップアスリートの動き、その共通点から体系化した身体理論

先天性連動とは、HURECが提唱する身体理論の総称です。理論の構築にあたり、医師、理学療法士、作業療法士、アスレティックトレーナー、鍼灸師・柔道整復師、トップアスリート指導者、動作分析の専門家などが参画し、研究と体系化を進めてきました。着眼点となったのは、「低年齢の子供のやわらかい身体」「長期的に怪我が少なく活躍するトップアスリートの身体」です。

子供とトップアスリートの共通点

先天性連動は、出生後〜二足歩行(走行)が可能になった状態の時点で完成する身体動作と定義しています。簡単に言えば、走り回れるようになったばかりの幼児が先天性連動100点満点ということになります。それ以降にさらに上昇することは理論上なく、骨や筋肉の成長が進んでも、その動作システムが”保持・保存される”ことこそ理想です。一方でその理想は多くの場合失われていく現実があります。 

加齢によって起きうる老化現象は、生理機能、知的機能、運動機能、外見上の変化など、様々な要素が考えられます。人間も動物である以上、老化現象そのものはある程度受け入れる必要があります。しかし、動きの老化に関しては、人間とその他の動物とでは大きな違いがあります。

例えば、犬や猫も、年を取れば、子猫や子犬の時とは動きが変わってきますが、「走るのを躊躇ったり、少しジャンプすると怪我をしたり、柔軟性が急激に低下する。」ということはありません。一方人間は、5歳ぐらいまでは、ほぼ例外なくやわらかく、その体格に対する力も想像以上に強いものです。また走り回り、たくさん転びますが、腰やを痛めることは殆どありません。

しかし、小学生になると身体が硬くなる子が出始め、中高生になると多くの子の身体、そしてその動きが硬くなり始めます。30代には、本人の意識としても「昔より身体が衰えたな」と感じる人が多く、40代には腰痛・肩こりを始めとする体の不具合を訴える人が急激に増えます。この年齢になって「全力で走ったり、思いっきりジャンプしたりすること」に恐怖を感じないとすれば、それはかなり稀有な存在と言えるでしょう。50代と迎えると、むしろ体の不具合がない人の方が少数派になるのではないでしょうか?

一方で身体コンディションがその成績に最も反映されるであろうスポーツの世界で、前例を遥かに超えて活躍を続ける選手たちも存在します。

彼らが特別な存在であることは間違いありませんが、彼らの身体の動きを観察・研究していくと、驚くほど、子供の身体の動作との共通点があることが見えてきます。従って、HURECでは当該のアスリートは、一度獲得した先天性連動を”保持し続けた”。もしくは競技過程の中で、”取り戻した”と推測しています。

大人の柔らかい と 子供のやわらかいの違い

大人の柔らかい

私たち成人が身体の柔軟性を評価する際に採用するのは、「可動域」であると思います。もちろん、より専門的な評価・検査の方法は存在していますし、評価・検査の方法に絶対の基準はなく、様々な考え方があることは大前提ですが、「可動域が広い=柔らかい=健康」「可動域狭い=硬い=不健康」に異を唱えることは少ないでしょう。また一般的にも、「可動域が広い」ことに対してネガティブなイメージを抱く方は少なく、むしろ”180度開脚”、”ぺったり手がつく前屈”などに憧れを抱く方も少なくないと思います。

前屈の可動域が広い人
前屈の可動域が広い人
開脚の可動域が広い人
開脚の可動域が広い人

しかし、臨床の現場に立つ治療家やトレーナーたちの声を聞くと、

「可動域には問題がないのに痛みが取れない」

「可動域には問題がないのに痛みが取れない」

「ストレッチ習慣を取り入れて可動域が広くなったのに怪我がむしろ増えた。」

「ストレッチ習慣を取り入れて可動域が広くなったのに怪我がむしろ増えた。」

「可動域がそれほど広くないのに、怪我が少ないアスリートがいる」

「可動域がそれほど広くないのに、怪我が少ないアスリートがいる」

など、可動域が広い=健康と言いづらいケースが事実として存在します。
結論から言うと先天性連動においては、”可動域が広い”ことは、健康やパフォーマンスの評価としては不十分であると考えています。 

子供のやわらかい

子供は可動域という観点から見ても、成人と比べて相対的に柔らかいと思います。しかし、多くの方が感じている子供の身体のやわらかさは、単純な可動域の広さではなく、「転んでも怪我を滅多にしない(擦り傷などは除く)」「立つ→ジャンプ→走る!いろんな動きが滑らか」「トレーニングもストレッチもしてないのに身体が凄く柔らかい」など、より動的であり複合的なものではないでしょうか。

走り回る子供
走り回る子供

”やわらかいの定義”本当のやわらかいが分かる3つの指標

先天性連動においては、単純な可動域検査では評価することが難しい子供やトップアスリートの”やわらかさ”、そして真の意味での健康な身体を評価するために、3つの指標を用います。

第一の指標 他動可動域 測定(一般的な可動域測定と同じ)

第一の指標となるのが、他動可動域測定です。一般的に股関節の屈曲可動域を測定する際には、以下の写真のような方法で計測することが多いと思います。

仰臥位で自分の足を抱えて可動域測定
仰臥位で自分の足を抱えて可動域測定
仰臥位で施術家が患者の足を動かして可動域測定
仰臥位で施術家が患者の足を動かして可動域測定

先天性連動においては、このような一般的な可動域測定のこと”他動可動域測定”と呼びます。その名前の通り、他の力を持って動かすという意味です。二つの写真股関節屈曲の可動域測定の方法は、①本人の腕の力を使って足を動かしている。②施術家の力で足を動かしている。という点は異なりますが、どちらも本人の足の筋力発揮ではない点においては共通しています。この可動域が狭ければ、”硬い”と評価する点は、先天性連動においても共通しています。

第二の指標 自動可動域 測定

第二の指標となるのが、自動可動域測定です。ここで冷静に考えなければならないのが、日常生活動作において、関節動作が他動可動域測定のように、他の力を借りてなされることがあるのだろうか?という点です。おそらくほとんど存在しないと思います。従って、より重要な指標となるのが、自分で身体を動かす可動域測定=自動可動域測定なのです。大人の柔らかいと子供のやわらかいの違いの一つには、子供は他動可動域も広いが、自動可動域もほとんど差がでない。多くの場合、大人の柔らかいは、他動と自動の可動域に明らかな差が存在するという点なのです。私たちは、このような状態の人を”ユルい”と表現しています。

他動可動域と自動可動域に差がない人
他動可動域と自動可動域に差がない人
他動可動域と自動可動域の差が大きい人=ユルい人
他動可動域と自動可動域の差が大きい人=ユルい人
第三の指標 関節角度別筋出力 測定

最後に第三の指標となるのが、関節角度別の筋出力となります。この測定方法は、股関節屈曲を例にすると、測定者が対象者の大腿挙上(股関節屈曲)に対して一定の負荷を掛けながら行います。先天性連動におい ては、関節の角度によって主に収縮するべき筋肉がリレーのように移り変わっていくと考えられています(詳細は後述の”筋収縮のリレー”を参考)。従って、股関節の屈曲0-10度と90-100度では、違う筋肉が収縮するのが正常となり、対象者によっては収縮しやすい角度(筋肉)と収縮できない角度(筋肉)が存在することもまた当然と言えます。

股関節屈曲において、先天性連動が完全に保存された人(低年齢の子供など)は、屈曲角度のど の時点においても「力が入りづらい」ということはなく、また測定者が感じる圧力は概ね一定です。しかし、先天性連動が失われている人の中には、股関節の屈曲0-90度までは問題がないが、90-100度付近で急激に「力が入らない」、術者から見て圧力に大幅な低下を感じるということが多々あります。先天性連動においては、この 検査を関節角度別筋出力測定として、”やわらかい”の基準の最終測定としています。

第三の指標 関節角度別筋出力 測定 第三の指標 関節角度別筋出力 測定
やわらかいの定義

全身のあらゆる関節動作において、前述した3つの指標全てをクリアしている状態をやわらかい身体(先天性連動が保たれている状態)と定義しています。逆に、他動可動域と自動可動域の差が大きかったり、関節角度別筋出力に大きくムラがある状態は、健康やパフォーマンスの観点から考えると、大きな問題を抱えており、機能性疾患の症状が出るリスクが高く、長期的に放っておけば、器質的疾患に繋がるケースも多くあります。連動性トレーナーは、先天性連動を基礎理論とした、独自の技術を使用することで3つの指標全てをクリアする身体の状態に戻すアプローチを行います。

特徴 先天性連動5つの特徴

特徴①全身性

先天性連動の最大の特徴は、人体のあらゆる動作を全身性の運動として分解→理解している点です。例えば、”しゃがむ動作”を観察する際には、股関節、膝関節、足関節の下半身3つの関節と、その周辺の筋群に着目することが一般的と言えます。しかし、先天性連動においては、”しゃがむ動作”を理解する際に少なくとも、手指関節、手関節、肘関節、肩関節、胸椎上部、胸椎下部、腰椎上部、腰椎下部、股関節、膝関節、足関節、足趾関節と、その周辺の筋群を観察します。さらに言えば、単関節運動として考えられがちの手足の関節、手関節・足関節、肘関節・膝関節などの動作に関しても、全身性の動作として考えます。従って、先天性連動において、単関節運動又は、単関節評価は存在し得ません。

特徴② 収縮優位

先天性連動は、人体”動作”に関する研究と言えます。従ってまず、人体の構成要素の中でも、最も”動作”に大きな影響を与える筋肉についての考察が重要です。筋肉には、大きく分けて、収縮と伸張の二つの機能がありますが、先天性連動においては、収縮を優位的に捉えています。何故ならば、筋肉には主として、収縮機能しかなく、伸張するのは拮抗側の筋肉が収縮する際の受動的反応だからです。ある意味、当たり前のことですが、敢えて前提を述べるのならば、動作をするということは、全身の筋肉を必要に応じて収縮させることに尽きます。
例えば、前屈というストレッチを想像して貰えば分かりやすいでしょう。一般的に『私は、前屈が硬い』と言ったら、ハムストリングスや腓腹筋など、背面部の筋肉の伸張の硬さが原因であると考えがちですが、先天性連動において前屈が硬いとは、腹直筋や大腿四頭筋、前脛骨筋などの前面部の筋肉の収縮作用が消失・減退していると捉えます。
従って、誤解を恐れずに言えば、筋力トレーニング=筋肉を縮める。ストレッチ=筋肉を伸ばす。と分けられるべきではありません。先天性連動においては、これらの二つは負荷設定を除けば、全く同じ収縮動作なのです。

特徴③ 筋収縮のリレー

先天性連動が筋収縮に着目している点は前述しましたが、さらなる特徴として、関節角度によって主たる収縮筋が特定の方向性をもって移動していくという点が挙げられます。例えば、アームカールという有名な筋力トレーニングがありますが、多くの書籍によってアームカールは”上腕二頭筋の収縮を目的とするトレーニング”として紹介されています。先天性連動では、アームカール=肘の屈曲動作は、肘の屈曲角度によって収縮する筋肉が移り変わっていくと捉えています。従って、本来上腕二頭筋の収縮が主となるのは、肘の屈曲角度が一定の角度を通過する際にのみとなります。先天性連動においては、この筋収縮が、手先→前腕→上腕→体幹上部→体幹下部→大腿→下腿→足先の順で行われていると考えています。簡略化すれば、「手→背骨→足」です。先天性連動が保存されている人が、特別なフォームの意識をせずにアームカールを行えば、肘の屈曲角度に応じて、拳を握る→手首を曲げる→肘が曲がる→胸椎上部の伸展というように、肘以外の関節も、「手→背骨→足」の順に応じて動いていくのが正常と言えます。

特徴④ 背骨は関節の集合体

先天性連動において、背骨とは24個の椎骨が積み重なった「関節の集合体」であり、「手→背骨→足」の筋収縮のリレーの中間点であり、手によって動かされ、足を動かすために反応するという機能を持ちます。これは解剖学的な観点であれば、当然のことではありますが、背骨は本来的に関節としての機能を持っています。従って、一つ一つの動作可動域は広くはないものの、全てが屈曲・伸展・側屈・回旋の機能を携えています。低年齢の子供やアスリートが、前屈をすれば、背骨は丸みを帯びた屈曲アーチ描くし、また後屈すれば、滑らかな伸展アーチが生まれるのが自然です。

特徴⑤ 始点(個体差)

始点とは、先天性連動の研究動機にもなった姿勢や動作など『身体動作の個体差』の説明が可能な最重要理論です。人間の先天的特質において広く認められているのは身長、肌の色、性別、血液型などが有名であり、ある程度解剖学を学んだ方であれば、骨の形状、筋肉と骨の付着部位置の個体差なども先天的特質として認知されていることでしょう。始点とは、先天性連動の中でもバランス制御のために機能している筋反応であり、8つのパターンの内いずれか一つが当てはまります。

始点と姿勢

始点は、立位、歩行、走行時はもちろんのこと、座位、仰臥位、寝返り動作など、生きている限り常に機能しています。従って、一見すると静止しているように見える状態であっても、その影響を免れることはありません。姿 勢の良し悪しが語られる時に基準とされることが多い立位姿勢においても、手・足と体幹の位置関係、そして背骨のアーチ形状にその特徴を見て取ることができます。低年齢の子供は、大人に比べて、歪みや後天的な姿勢の意識も少なく、非常に良い検体となるが、やはり確実に個体差が存在しています。胸椎が屈曲位気味の子 もいれば、伸展位気味の子もいます。反り腰気味の子もいれば、丸腰気味の子もいます。しかし、一様に体が やわらかく健康です。先天性連動において、低年齢の際に存在する個体差は、先天性(始点)の違いであり、本来は年齢を重ねても保存・維持されるべきと考えています。従って、”良い姿勢の定義は、人によって大きく違う” とするのが、先天性連動の主張なのです。

始点とスポーツのフォーム

始点の存在は、様々なスポーツにおいて議論されることが多い”理想のフォーム論議”に一石を投じることになるでしょう。スポーツ指導の現場や、スポーツ科学系研究において議題に上がることの多い、”理想フォームとは?”、”最も効率の良いフォームとは?”などの類の話は、長年に渡り様々な角度から話されてきましたが、未だ一つの結論には至りません。万人に共通する”理想のフォームの探究”には多くの人が熱を帯びるだけの魅力があるといえます。しかし、一方で常に対論として話されてきたのが、運動パフォーマンスの極みと言える域に至った各競技のトップアスリートたちが、見事にまで異なるフォームでその王座を築いてきた事実です。競技の世界には、”理想のフォーム論者”から言わせると効率的とは言い難いフォームで高いパフォーマンスを出した事例が数多く存在します。その傑出性とユニーク性(個体差)を共存するカテゴリーに存在する者たちを”天才”という一言で片付け、フォームの個体差が生まれる本当に理由についての研究が思いの外、足りていなかったのではないでしょうか。先天性連動において、始点は先天的な特質であり、本人の意識化にあるものではありません。従って、バランス制御のために、無意識で反応する筋収縮のリレーは、高いレベルのアスリートほど、個体 差に沿った形で発現します。従って、競技レベルが上がるほど、相対的に始点の特徴(姿勢やフォーム)は顕著に現れるとも言えます。

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