竹中真海(たけなかまひろ)
ソフトボール選手
ポジション:ショート
所属:豊田自動織機シャイニングベガ
主な経歴
- 2014年:国民体育大会(国体)優勝(愛知県代表)
- 2015年:第11回世界女子ジュニア選手権大会 準優勝
- 2018年:全日本大学選手権 優勝(日本体育大学)
- 2018年:第7回東アジアカップ 優勝(日本代表)
- 2024年:首位打者賞、最多盗塁賞、ベストナイン賞受賞(JDリーグ)
- 2025年:アメリカプロリーグAssociation of Fastpitch Professionals(AFP)参戦
アスリート再生プログラムに出会う前の課題について教えてください。
大きな課題は、「パフォーマンスの波が大きいこと」でした。
当時は、指導者から受けた指導を軸にプレーしており、もちろん結果が出る時期もありましたが、思うようにいかない時期がほとんどでした。
その中でずっとあったのが、「自分に本当に合う動きが何か分からない」という感覚です。言われたことに取り組んでも、それが自分のパフォーマンス向上に本当に結びついているのか確信が持てず、どこか手探りのまま競技を続けていました。
実際、バッティングフォームの指導を受けてフォーム改善に取り組んでいた時期に、股関節の痛みが出てしまい、打撃だけでなく走塁や守備にも支障が広がりました。結果を出したいのに、その取り組みがパフォーマンス向上につながるどころか、逆に自分の動きを崩してしまうこともありました。
当時は、「もっと良くなりたい」と思って努力しているのに、その努力が自分の可能性を広げる方向に向かっているのか分からない。そんな悩みを抱えていました。
プログラムを始めようと思ったきっかけについて教えてください。
もともと私は、パフォーマンスを高く発揮し続け、競技を長く続けていくには、「怪我をしないこと」が重要だと考えていました。それと同時に、ただ続けるだけではなく、もっとパフォーマンスを上げていきたいという気持ちも強く持っていました。
以前から、指導を受ける中で「このやり方は自分には合わないかもしれない」と感じる場面は何度もありました。人によって体の特徴や合う動きが違うのではないか、という感覚はずっと持っていたんです。
そんな中でこのプログラムに出会い、自分の骨格に合った動きや調整、トレーニングを積み上げていくという考え方に強く惹かれました。「自分に合う・合わない」の感覚を明確な形にして取り組めるのであれば、自分のパフォーマンスをもっと引き上げられるかもしれないし、まだ伸ばせる余地があるかもしれない。そう思えたことが、始めようと決めた一番大きな理由でした。
自分の骨格タイプを知って取り組み始めてから、どのような変化がありましたか?
一番大きかったのは、「自分に合う動きの基準」が持てたことです。
たとえば走り方では、これまでは「腕を縦に振る」と言われることが多かったのですが、自分の中ではずっとしっくりこない感覚がありました。実際に取り組む中で、私の骨格タイプでは「縦に振る」より「横に振る」方が合っていると分かり、これまでの違和感の理由がはっきりしました。
自分の骨格タイプに基づいたケアやトレーニングを行うことで、課題としていたパフォーマンスの波を最小限に抑えることができるようになってきていると感じています。疲労も抜けやすくなり、パフォーマンスの質が上がっている実感があります。
結果として、競技成績にも大きな変化がありました。取り組み開始前の5年間は打率が2割台と、なかなか思うような結果を出せずにいましたが、プログラムを開始して以降の2024年シーズンでは打率3割8分1厘と、飛躍的に成績を伸ばすことができました。そして、首位打者賞に加えて、最多盗塁賞、ベストナイン賞の受賞にもつながりました。
自分に合ったやり方で積み上げたことが、ここまで具体的に結果へ表れたのは、自分の中でも大きな出来事でした。
数字の変化だけでなく、「自分に本当に合うものは何か分からない」という感覚から、「合っている感覚」を持てるようになったことが、自分にとっては非常に大きな変化だったと感じています。
そしてその感覚が持てたことで、「まだ自分はもっと上げられる」という手応えも生まれました。

アスリートである以上、順風満帆というより常に怪我のリスクはあると思います。実際に股関節の痛みや肩の亜脱臼を経験した中で、「自分の骨格に合ったアプローチ」で劇的に改善したと伺っています。どのように改善していったのか、詳しく教えてください。
股関節の痛みはバッティングフォーム改善の指導、肩の亜脱臼はウェイトトレーニングがきっかけでした。
どちらも共通していたのは、「一般的には正しいとされるやり方」でも、自分の骨格には合っていない形で続けてしまっていたことです。
股関節については、自分に合わないフォームによって無理な負荷がかかっていたことが原因でしたし、肩の亜脱臼についても、自分のタイプに合わないウェイトトレーニングが影響していました。
そこからは、自分の骨格に合った動きやフォームに切り替えていくことで、痛みが改善し、再発を抑えながらプレーを続けられるようになりました。
この経験を通して、自分に合ったやり方で取り組むことが、怪我のリスクを抑えるだけでなく、結果としてパフォーマンス向上にもつながるのだと実感しています。
最後に、同じように悩んでいるアスリートに向けてメッセージをお願いします。
私自身、合わないフォームで取り組んでいた時期に、怪我につながったり、本来出せるはずのパフォーマンスを出し切れなかったりする経験をしてきました。だからこそ今は、「努力量」だけでなく、「自分の身体に合ったやり方かどうか」を見直すことがすごく大事だと感じています。
自分の骨格タイプや個体差を知ることで、これまで曖昧だった違和感の理由が分かるようになり、プレーの中での調整もしやすくなりました。結果として、パフォーマンスの向上だけでなく、怪我のリスクを抑えながら競技を続けることにもつながっています。
もし今、「頑張っているのにうまくいかない」「まだ上を目指したいのに、どこか頭打ちになっている」と感じているなら、一度“自分に合う動き”という視点で見直してみてほしいです。
自分に合った方法で積み上げることで、アスリートとしての可能性は、まだ取り戻せるし、さらに広げていけると思います。


